ドンキイ探検隊
船乗りの日
初版98.4.26
懸 賞
四月二十二日夜、ホーニング渡し場の下流の北岸に繋留中
の快速艇マーゴレッタ号のもやい綱を解き放した少年あり。
この者に関する情報を提供されたる方には賞金を呈す。
アーサー・ランサム
『オオバンクラブの無法者』より
懸賞広告
『オオバンクラブの無法者』の日程表ですが、マーゴレッタ号が出した懸賞広告にトムがマーゴレッタ号を流した日付がありますので、これを元に導きだすことができます。第11章「トム、危険におちいる」P164です。
>>四月二十二日夜、ホーニング渡し場の下流の北岸に繋留中の
>>快速艇マーゴレッタ号のもやい綱を解き放した少年あり。
トムがマーゴレッタ号を流したのは『オオバンクラブの無法者』の第１日目です。その翌日、ポートとスターボードがお父さんと話しているシーンがあります。第７章「招待」P95です。
>>「休暇が半分すぎちゃったね」
>>「まだ二週間あるわ」
この会話から単純に考えて、復活祭の休暇は１ケ月間あることになり、またその始まりは４月９日あたりになります。復活祭（イースター）の定義は“春分の日の後、初めての満月の次の日曜日”で、年によって変化します。
インターネットの『Phasese of the Moon』で調べてみると、１９３１年の復活祭は４月５日、１９３２年の復活祭は３月２７日でした。ということは『オオバンクラブの無法者』は１９３１年の出来事なのです！ わはは、『長い冬休み』に続いて、『オオバンクラブの無法者』も《１９２９年説》になってしまいました。う〜ん(^^;
ともあれ、ディックが一人前の船乗りになった日（竿に引っぱられて川に落ちた日）は１９３１年４月２９日です。しかし、こうやって日程表を見てみると、当時の復活祭の休暇は、復活祭からまるまる５週間もあったようですね。なお、『オオバンクラブの無法者』には月齢チェックが可能な描写は見当たりませんでした。
『オオバンクラブの無法者』のカレンダー
《１９２９年説》
１９３１年４月２２日（水）
Ｄ姉弟、ホーニングにやってくる
トム、オオバンの巣を守るため、マーゴレッタ号を流す
Ｄ姉弟、オオバンクラブ会員と知り合う
１９３１年４月２３日（木）
ティーゼル号、ランワース沼に移動する
Ｄ姉弟、オオバンクラブ会員からボートの漕ぎ方を習う
１９３１年４月２４日（金）
Ｄ姉弟、トムから帆走を習う
１９３１年４月２５日（土）
Ｄ姉弟、トムと双子から帆走を習う
１９３１年４月２６日（日）
Ｄ姉弟、どしゃぶりの雨の中、ボートを漕ぐ練習をする
ホーシイ沼までの航行計画を立てる
１９３１年４月２７日（月）
マーゴレッタ号、懸賞広告を出す
トム、危うくマーゴレッタ号に発見されそうになる
１９３１年４月２８日（火）
トム、ティットマウス号を変装させる
ティーゼル号、ホーシイ沼までの航行する
１９３１年４月２９日（水）
ディック、竿に引っぱられて川に落ちる
夜のポッター・ヘイガムでマーゴレッタ号とニアミス
１９３１年４月３０日（木）
ティーゼル号、ホーニングに帰る
１９３１年５月１日（金）
ティーゼル号、南部へ向けて出航する
双子、ティーゼル号を追って波乱万丈の旅始まる
１９３１年５月２日（土）
ティーゼル号、ベックルズ到着
双子、ティーゼル号に追いつく
１９３１年５月３日（日）
ティーゼル号、嵐の中をウルトンに着く
１９３１年５月４日（月）
ティーゼル号、風に恵まれず、キャントリイ近くで停泊
１９３１年５月５日（火）
ティーゼル号、風に恵まれず、バッケナムの渡し場近くで停泊
双子、明後日までに帰るようにと連絡を受ける
１９３１年５月６日（水）
ティーゼル号、ブレイドン湖で座礁
マーゴレッタ号、ブレイドン湖で沈没
死と栄光号、マーゴレッタ号を救助
ティーゼル号と死と栄光号、引き船されてエイクル橋まで帰る
１９３１年５月７日（木）
ティーゼル号、ホーニングに帰る
双子、レースに出走して優勝する
ちなみに、この話題はNIFTY-ServeのFSHIP-16番会議室（
てぃーるーむアーサー・ランサム
の項参照）で討論されています。
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